江戸川区総合文化センター

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坪井夏美さん(ヴァイオリニスト)のインタビュー

10月10日(月・祝)「フレッシュ名曲コンサート」にソリストで出演されるヴァイオリニストの坪井夏美さん。
会場となる大ホールにてヴァイオリンの試奏をして、本番のイメージを感じられた坪井さんにお話を伺いました。


--今日ご覧いただいた大ホールの印象はいかがですか。

音が弾きやすい感じに広がってくれる感覚がありました。横にも奥にも広すぎないのに1,500席も並んでいるのが凄いですね。ちょうどいい広さなのかもしれません。中規模のホールで弾いている時に感じるお客様との距離の近さと、大きいホールの音の飛び方を兼ね備えている感じがして、ますます本番が楽しみになりました。

--今回演奏されるチャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲」について、初めてステージで演奏したのは、中学3年生の時とお聞きしました。今回は2回目とのこと。どのようなお気持ちですか?

当時は、オーケストラとの初めて演奏が、ヴァイオリニストなら絶対弾いておきたいチャイコフスキーというのもあって。
“憧れ”みたいなものが強かったですね。でも、今思うと、自分の演奏に必死でオーケストラとの会話を楽しむ余裕はありませんでした。
その後しばらく演奏する機会に巡り合わなかったので、今回、機会を頂けてとても嬉しいです。

--どのような演奏をされたいですか?

甘くて濃厚な感じと、オーケストラの重厚さを合わせると楽しさや面白さがどんどん増していきます。
今回は、オーケストラと会話しながらアンサンブルを楽しみたいと思っています。
ロシアの雄大な自然のイメージ、そのエネルギーに負けないような、情熱的なチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を演奏したいと思っています。

--ヴァイオリンを始めたきっかけを教えてください。

母が習い事の一環として、3歳のときにヴァイオリン教室に見学に連れて行ってくれたのがきっかけです。
他にも多分ピアノとかバレエとか見に行っていたのですが、その中で私がヴァイオリンをやりたいと言ったようです。先生も優しくて大好きでした。いずれ父の海外転勤がある事も分かっていたようなので、英語が話せなくても何か特技があれば臆することなく
コミュニケートできるのでは、と考えたようです。持ち運びのできる楽器の方が続けやすいとすすめてくれたのもありました。

--海外(イギリス)にいた当時のことを何か覚えていますか。

当時、オイストラフの愛弟子でいらした英国王立音楽院Lydia Mordkovich教授に教えていただいてました。
先生とはいろいろな偶然が重なって出会えたのですが、その先生が非常に期待してくださって、音楽と無縁だった両親を
説得してくださったのです。そこから私のヴァイオリンが趣味ではなくなりはじめたのかなあと思っています。
でも、英国では日本ほど幼い頃から子供達が頑張って練習をする風潮はありませんでした。
先生もヴァイオリンだけを練習していてはダメよ、とおっしゃる先生で、私は現地校に通っていたこともあり、
友達の家に泊まりに行ったり、週末ごとに友達の誕生日会に参加したり、公園で遊んだり、本当にのびのびと楽しく過ごしていました。

-音楽を続けていくことの楽しさについて、どんな風に感じていますか。

小さい頃は練習をして弾ける曲が増えるのが単純に楽しかったのですが、高校生大学生になると、
単純に演奏するというより、どのように表現出来るかというところに、気持ちが変わっていきます。
以前気づけなかった表現の仕方に気づけた瞬間は、自分が成長していることを実感できて、とても楽しいです。
あとは、ヴァイオリンを通して出会えた人がたくさんいることは、大きな財産です。東京音楽コンクールで入賞してから、
オーケストラや室内楽などでいろいろな方々と共演させて頂く機会が増えました。演奏の場が増えるのももちろん嬉しいですが、
演奏後にお客様とお会いして喜んでいただけたことを実感できたり、温かいお言葉をいただけることがとても励みになりますね。

--逆に苦労はありますか?

苦労とは少し違いますが、中学入学当初、学校で部活に入らなかったのは私だけという寂しさは少しありました。
でもヴァイオリンを通じて多くの友人とも知り合いました。夏の講習会とかで会うんですよ。
2週間ぐらいレッスンを受けながら、合間に遊んだりして。年に数回ですが、同じ道を志す仲間がいることは励みになりましたし、
続けていく活力になりました。

高校時代はなかなかコンクールで思うような結果が得られなくて、将来について迷った時期でもありました。
芸大(東京藝術大学)に入って、その年の日本音楽コンクールで3位をいただけたことで、やっと自分に少し自信がもてました。
あの時は「絶対に後で自分に言い訳をしない」、と心に決めて、出来る限りの努力をしました。
あそこで入賞出来たことが、自分の中では大きなターニングポイントでした。

その後国際音楽コンクールを2つ受けていて、両方とも入賞は出来なかったのですが、そこで他の方の演奏を聞いたことが
非常に勉強になりました。それを踏まえて東京音楽コンクールを受けたことが、優勝という良い結果に繋がったのではと思っています。
お陰様で昨年は、ニュージーランドで開催されたマイケルヒル国際ヴァイオリンコンクールで第4位に入賞することができました。
ここ数年は、“今が一番楽しい”と思えることが続いているので、すごく幸せだと感じています。

--プライベートなお話も少し。音楽以外のもので、最近凝っているものはありますか。

昔からの趣味で言うと読書です。怖い話でなければ何でも!ハリーポッターやナルニア国物語等のファンタジーは
昔から結構好きでした。あと最近ハマったのは、歴史小説と言うのでしょうか、『ローマ人の物語』です。全44巻あるので、
まだ途中なのですが、とても読み応えがあります。その影響もあって、今読みたいなって思っているのは司馬遼太郎さんです。
スポーツものも好きですね。『DIVE』とか『風が強く吹いている』とか。主人公を自分に重ね合わせて、頑張ろうって励ましています。

他に趣味といえば、簡単なアクセサリー作りです。単純作業をすると無心になれるので、編みものとかも好きです。
それから、歌うことも好きで合唱に参加したこともあります。お腹の底から声をだすとスッキリします。

--将来はどう言う演奏家になっていきたいですか。

海外留学を視野に入れながら、しばらくは海外コンクールへの挑戦を続けたいと思っています。
コンクールは結果を得るだけでなく、自分の演奏をいろいろな方に聴いていただける場であると今は考えています。
さらに技術を磨きながら、表現の幅を広げて、人の心に響く自分の音色をもつ演奏家になりたいと思っています。
また、私の演奏を聴いてくださった方の印象に残るような演奏ができるよう精進していきたいと思っています。

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