8月25日(日)『子どものためのバレエ「ねむれる森の美女」』がいよいよ開催されます。
「公演前に姫と王子の意気込みを教えてほしい!」(by.文化センタースタッフ)
そこで会いにいってきました!東京バレエ団の若手スターの素顔にせまる、超貴重インタビュー。
(イベントガイド8-9月号のインタビュー記事に一部追加してお届けします)
オーロラ姫:吉川留衣(よしかわるい)さん
デジレ王子:梅澤紘貴(うめざわひろき)さん
【場所:東京、目黒区 東京バレエ団の応接室にて】
6月終わりの梅雨の真っ只中のある日。東京バレエ団に到着すると、お二人はまだ練習中。
先週までの大きな公演が終わり、いよいよ「ねむれる森の美女」の練習が始まったそう。
練習を終えて私服に着替えたお二人が、「お待たせしました~」と颯爽と部屋に入ってこられました。
待ちに待った王子と姫の登場。初々しい!あたりがパッと輝くようです。
―タイトルに”子どものための”とついていますが、通常のバレエとはどう違うのでしょうか?
吉:はい、通常バレエでは物語を身体で表現しますが、今回はあらすじや身振りの意味をやさしく解説してくれる進行役が出てきますよ。
梅:”カタラビュット”という王様のお付き役で、セリフのけいこもしているんです。
★カタラビュットとは?
「ねむれる森の美女」に登場する王様のお付き役(執事)の役名。
通常のバレエではありえない”セリフを話す”役なので、演技と発声練習の両方が必須。
「カタラビュットのようなセリフのある役をやってみたいですか?」と梅澤さんに聞いたところ、
「イヤイヤ~、難しそうですね~!踊っているだけの方がいいです!」と即答!
―吉川さんは以前にもオーロラ姫を演じられていますね。客席はどんな雰囲気ですか?
吉:最初、カタラビュットが客席に話かける時は、お子さんたちはとても元気にお返事をしてくれます。でも、物語がはじまると客席がシーンとなって集中してくれているんだなとわかります。
―主役を演じるのはどんな気分でしょう?
緊張もしますが、最高の舞台を観てほしいという思いから、オーロラ姫になりきって踊りきります。
バレエの世界ってこんなにも楽しいって思ってもらえたら、うれしいですね。
★オーロラ姫(吉川さん)よりオススメのポイント!
2013年1月、ゆうぽうとホールでも主役のオーロラ姫を演じた吉川さん。
「子ども向けの公演ですが、子どもの集中力はすごい。舞台で踊る自分に視線が集まる時の空気感は、大人の公演と変わらないですよ」。
また、「ぜひ舞台美術にも注目して」とのこと。今回、舞台美術を担当したのは、子どもに人気の児童書「わかったさん」シリーズの挿絵画家、永井郁子さんによるもの。ファンタジックな色彩が見る人をおとぎの世界に連れていきます。「本当に素敵なんです」、と吉川さん。
―梅澤さんは今回はじめての王子役ですね。意気込みを教えてください。
梅:古典バレエの王子の気品とはどういうものなんだろう、と日々考えています。立ち振る舞いや表情など。手の動きひとつとっても、出し方ひとつで変わると思うんですよね。(実際に手の振りを見せながら)
吉:自分らしい王子をつくりあげられるといいですね。(梅澤さんに向かってニッコリと)
梅:そうですね。今までとは違った”自分だけの”王子像を表現してみたいです。
★”西洋のノーブルな王子を演じたい”と語る梅澤さん
「西洋の王子さまって、普段の生活で周りにいないじゃないですか。だからどうやって伝えるか本当に難しい」と悩める王子、梅澤さん。
そんな王子を「大丈夫ですよ~」と優しく励ます姫、吉川さん。
ほかの公演でも何度もペアを組んでいるお二人。いつもこうやって話し合いながら役を作りあげていっているのでしょうね!
―バレエをはじめたきっかけはなんですか?
吉:覚えてないくらい小さい頃から踊るのが好きだったそうです。それで母がバレエ教室に連れて行ったと聞いています。
梅:ぼくも覚えていないな・・・(昔を思い出すように)姉が習っていたので、一緒に練習について行って「やりたい」って言ったらしいんですが。
―お二人とも記憶がない頃からバレエの世界にいらっしゃるんですね。バレエダンサーの生活はやはり普通の人とは違うのでしょうか?
吉:体調管理には気をつけています。
―甘いお菓子も食べるんですか?
吉:食べますよ~。好きな人も結構いますよ(笑)。きちんとした食事とのバランスが大事だと思います。
梅:特に男性ダンサーの場合はきちんと食べないと筋肉がつかないですから。あ、男性ダンサーの意見はいらないでしょうか?(遠慮がちに)
―いえいえ、男性のご意見も聞きたいです!
吉:梅澤くんは筋トレもしてるから、入団した頃よりずいぶんたくましくなったよね~。
梅:身体づくりは大切ですから・・・(照れた感じで)
★ちなみに、「みなさんで食事などにも行ったりするのでしょうか?」という質問には「練習のあとはなかなか行く暇もないです」とのこと。忙しいんですね~!
―バレエをやっていてよかったことを教えてください。
梅:厳しいレッスンの積み重ねで日々身体が変わり、難しいテクニックができた瞬間。やったな、って思いますね。
吉:私は小さい頃から続けてきたバレエで夢が叶った(バレリーナになれた)時。ほんとにうれしかったです。
梅:あと、物語で色々な役ができること!日常ではなかなか出来ない体験ですからね。
吉:そうそう!お姫さまや王子さまになることもね。(二人そろってうなずく)
★最近は現代バレエの役をやってとても面白かったと語る梅澤さん。古典バレエとは、役作りが全く違うんだとか。また、吉川さんはもっと色々な役に挑戦したいそう。若きスターのこれからの姿。想像するだけで楽しみです!
「信頼していますよ」とお互いの顔をのぞきこみながら言い合うお二人。王子と姫の息は今からぴったり。
知的な美しさと優しさを合わせもつ吉川さんと、漆黒の眼ざしでどんな質問にも真剣に答えてくださった梅澤さん。
スターのオーラにドキドキしっぱなしだった文化センタースタッフでした。
8月25日(日)の公演が今から楽しみです!
ありがとうございました!