ブロードウェイで、『ビッグ・リバー』『エイント・ミスビヘイヴン』『ウィズ』『カラー・パープル』など様々なミュージカルの音楽監督として活躍しているリンダ・トゥワインが、1996年にオペラ、ミュージカル等で活躍する歌手たちを集めて「スピリチュアル・シンガーズ・オブ・ハーレム」を結成。黒人霊歌を中心としたレパートリーで、本国アメリカだけでなく、メキシコ、韓国等で定期的にツアーを行い、人気を博していました。2006年に、「ニューヨーク・ハーレム・シンガーズ」と改名。よりエンタテインメント性の強いレパートリーに取り組むようになり、日本でも毎年クリスマス・コンサート・ツアーを行うようになりました。2009年には、新しい音楽監督イマーカス・ハーパーを迎え、さらにスタイリッシュな舞台を披露しています。
毎回、趣向を凝らしたプログラムは、ツアーごとにテーマを決めて選曲し、それぞれの曲に編曲を施します。そして、そのプログラムに合った声量、声質の歌手をオーディションするという方式をとっているため、そのステージは、常に新鮮で、かつ高い芸術的水準を保っているのです。
ニューヨーク・ハーレム・シンガーズが、プログラムとして積極的に取り入れ、普及に努めている黒人霊歌(スピリチュアル)は、南部アフリカ系移民の奴隷文化から生まれ、隷属させられていた人々に希望と慰めを与え続けてきただけでなく、アメリカで生まれた多くの音楽形式の基となっています。ニューヨーク・ハーレム・シンガーズは、黒人霊歌と、そこから生まれた多様な音楽を組み合わせ、エンタテイメント性溢れたアレンジを施したステージで、世界中の人々に、アフリカ系アメリカ人が創りだした音楽の歴史と伝統を伝え続けています。
ゴスペル、劇場音楽の分野で、指揮者、作曲家、編曲家として活躍するイマーカス・ハーパーは、その音楽に常にアフロ・アメリカンのテイストを採り入れ、聴く者を啓蒙し、心から楽しませる才能に溢れている。これまでに、カルロス・サンタナ、ライオネル・リッチー、マイケル・ジャクソン、エドウィン・ホーキンス、アレサ・フランクリン、ビショップ・ウォルター・ホーキンス、ビリー・プレストン、リトル・リチャードらと共演している。彼の参加したアルバム「ラヴ・アライヴ5:リユニオン」(ウォルター・ホーキンス&ラヴ・センター合唱団)はグラミー賞ベスト・トラディショナル・ゴスペル・アルバム部門にノミネートされた。また、「da Kink in my hair」(トレイ・アンソニー脚本)では、NAACP(National Association for the Advancement of Colored People)より、ベスト・ミュージカル・ディレクションを受賞。ワシントンD.C.の名門ハワード大学にて音楽理論と作曲を学ぶ。これまでに、マリオン・J.キャフィの「3 Mo Divas」、「Dinah Was(ダイナ・ワシントン物語)」、「ドリーム・ガールズ」「ウィズ」、レジーナ・テイラーの「クラウンズ」などのツアーに参加している。