6月30日(木)から7月31日(日)まで、全国27会場で行われる平成二十八年度(公社)全国公立文化施設協会主催「松竹大歌舞伎」東コースに出演の市川染五郎が、公演への思いを語りました。
『松浦の太鼓』は大好きで、憧れのお芝居
今回の演目『松浦の太鼓』は、初世中村吉右衛門が播磨屋中村吉右衛門家の芸として制定した「秀山(しゅうざん)十種の内」のひとつで、代々の吉右衛門が松浦鎮信を当たり役の一つとして上演を重ねてきました。
染五郎は過去に大高源吾を2度務めていますが、今回演じる松浦鎮信は初役。初世中村吉右衛門は曽祖父、2代目(現中村吉右衛門)は叔父にあたるところから家としての縁も深く、「大好きで憧れのお芝居。今回この役を演じられることが非常に嬉しく、興奮しています」と、喜びを表しました。
憧れの役を演じてきた吉右衛門の演技については、「見ていて聞いていて本当に楽しくなり、感情を思うがままに操られてしまうところの快感を感じていたので、とにかくそれを目指したい。」とした上で、「一生懸命やって成立するお芝居ではなく、心を動かすということが自在に出来ないと成立しない芝居であると感じていますが、将来は自分が誰よりも演じる回数を多くなるようにという事を目標にしたい。」と意気込みを熱く語りました。
また、『粟餅』については、「あまり上演されない踊りですが、賑やかで楽しい踊りです。壱太郎くんと楽しく作り上げられればと思っております。」と、舞踊の家元としての顔も持つ者同士、共演を楽しみにしている様子が伺えます。
巡業では初の座頭として、大きな責任を感じる
初めて座頭で回る巡業公演については、「歌舞伎に興味を持ち、知ってもらう、歌舞伎の普及のためのたった1日の大事な公演であり、その後、東京の歌舞伎座を始めとした劇場に足を運んでいただくことを目的としている興行だと思っています。」と巡業への思いを語りました。
「座頭としては、素晴らしいお芝居をお見せすることがまず第一ですけれども、『ご挨拶』で私の口から皆様にご紹介するということがありますし、歌舞伎の普及について考えるにはどういうことが出来るのか。そのための取り組みの1つとして、イヤホンガイドを使ってその土地土地の話が出来ればということを打ち合わせしており、あらゆる角度で歌舞伎を楽しんでいただくために、今準備を進めている段階です。」と、お芝居以外の部分も意欲的です。
また、今回は巡業始まって以来の上演回数であることから、健康管理で注意されていることへの質問が出た際には、
「一日一日を大事に精一杯勤めていくにあたり、舞台に立ち続けることがひとつの健康管理だと思っていて、いろんな刺激を受けながら、舞台に立つことでお客様からもエネルギーをいただける」と、大好きな歌舞伎を演じられる喜びを嬉しそうに語りました。
『松浦の太鼓』は、高麗蔵、歌昇も初役、そしてその前後には壱太郎の『晒三番叟』と、染五郎と壱太郎による『粟餅』と、上演回数の少ない演目も並ぶ意欲的な公演です。
江戸川での公演は、巡業初日の6月30日(木)昼夜2回公演。チケットは絶賛発売中です。左側の「オンラインチケット予約」からお申込みいただけます。
その他、各媒体でもご紹介されています。
歌舞伎美人
東京新聞
オリコンスタイル
デイリースポーツ
サンケイスポーツ
スポーツ報知
日刊スポーツ