本日のアンコール曲
ショパン『ノクターン 第2番』
ご来場、誠にありがとうございました。
— —ピアノとの出会いはいつですか?
2 歳半の頃でした。
習い事、ではなく、遊びの一つとしてはじめた記憶があります。
当時来日していたハンガリーの祖母と一緒に歌を歌ったり、音楽の遊びをする中で
時々ピアノにも触れるようになりました。
その後はお気に入りの CDでバルトークのピアノ曲を繰り返し聴くようになり、
耳コピで真似をしていました。とにかく、ピアノと過ごす時間がとても楽し
かったんだと思います。
— —6 歳の時、ピアノを習うためにご両親と離れて、ハンガリーに留学されたそうですが、
当時、どのようなお気持ちだったのですか?
オーラ、人間性に一目惚れしてしまい、なんとしてもこの先生に習いたいと強
く感じました。それを両親や家族に伝えた上での決断でしたので、自分の中
の意思はとてもはっきりしていました。両親もそれを理解はしてくれましたが、
いざ、出発となりますと、やはりお互いにかなり寂しく辛かったです。
しかし全てが自分の意思、そして音楽を学ぶという目標のため、そう考えて乗り越
えるようにしていました。
— —ハンガリーでの思い出を教えてください。
ハンガリーでは 10 年間勉強をしてきました。前半 5 年半は山奥にある祖父母の
家から学校に通っていました。大自然の中での生活はとてもよかったですね。
ただし、山がもつ美しさだけではなく、その環境の厳しさも同時に学びました。
自然相手に生きる事は簡単な事ではありませんでした。その頃の様々な思い出が、
音楽と向き合う時、自分の思いや発想に繋がっているように感じています。
— —16 歳で日本に戻って来られたそうですが、ハンガリーと日本の違いを感じること
がありましたか?
違いが多すぎて軽いカルチャーショックを受けました。しかし、全く違う環境を、
それぞれ体験できたことがとても幸せでした。妙に似たような国ですと、逆に
複雑な気持ちになりそうです。違う環境でこそ、刺激を沢山受けて、さらに
強い自分になっていくように思います。
— —はまっていることがあれば、教えてください。
現在、 池坊いけばなを習っています。
その他料理、ランニング、お笑い、温泉、旅行と趣味は沢山です!
— —ピアノを弾いている時は、なにをイメージしているのですか?
作曲家がどのような思いでその作品を作ったのか。なにを伝えたかったのか。
なるべくその気持ちを理解し、 現代のお客様に伝えるようにしています。
そのために色々な事を頭の中でイメージしていきます。
まるで当時の作曲家になったかのような気分です。
— —好きな場所はありますか?
舞台の上です。
— —ピアニストになってみて、ここが難しい、と思うことはありますか?
難しい事は、日々自分との闘いがある事です。争う戦いではなく、素の自分と向き合う毎日という意味です。
— —子どもたちに、音楽を通じてどんなことを伝えていきたいですか。
音楽を通して生きる喜びを感じていただきたいです。
頭で考えるのではなく、一音一音を五感全てで受けとって欲しいです。
— —この公演へ来場される方へメッセージをお願いします。
緊張せず、リラックスした気持ちでいらしてください!音楽は音を楽しむのが一
番です!皆で一緒にピアノの魅力を探りましょう!
金子三勇士さんの魅力がいっぱいの3月19日(日)の公演にどうぞご期待ください!