1992年、作曲家の水嶋一江によって考案されたオリジナル楽器と、その演奏スタイルの総称であり、水嶋によってネーミングされました。この楽器は、糸電話の原理を応用しており、絹糸の両端に紙コップを取りつけた非常にシンプルなものです。
演奏者が手で擦ったりはじいたりして音を出し、演奏を行います。ピンと張られた絹糸は、1本ずつドレミファソラシドに調弦されています。1セット15~22本で、ソプラノ、アルト、ベースの3セットが基本となります。基本的に長調の音階にチューニングされていますが、曲によってはこのセットに半音階の「ストリングラフィ」がプラスされることもあります。糸の長さは一番短いもので約1m、長いものは 約13mもあります。
会場全体を巨大な弦楽器のようにセッティングすることもあり、その場合、観客はその楽器の内部で演奏を聴く事になります。
1964年東京生まれ。桐朋学園大学作曲科卒業。1991年カリフォルニア大学作曲科修士課程修了。
アコースティックな数多くの実験的現代音楽の作品を発表。
その結果、1992年にオリジナル楽器「ストリングラフィ」を考案、八重樫みどりと共にスタジオ・イヴを結成。以来、「ストリングラフィ」を軸とした舞台作品を制作していましたが1996年から「ストリングラフィ・アンサンブル」を結成し、複数の奏者による演奏活動を行っています。1996年にデンマークで初の海外公演を行って以来、アメリカ、イギリス、フランス、スペイン、オーストリア、オーストラリア、中国、香港、台湾、韓国、シンガポール、インド、ネパールと海外公演も数多く、新しい日本の音楽として高い評価を受けています。
http://www.stringraphy.com
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