講座の参加者よりいただきました、講師への質問に対する回答をご紹介します。
※全てのご質問にお答えできませんが、ご了承ください。
Q:大向こうのルールについて教えてください
A:大向こうの掛け声は、役者の登場・退場、見得、せりふの切れ目などにタイミングを合わせてかけられます。役者の屋号のほか、「待ってました」「ご両人」「たっぷり」などの掛け声もあります。現在声をかけている人は大向こうさんの団体に所属している人が多いですが、誰がかけても構いません。ただし役者さんの芝居や他の観客の邪魔にならないように注意する、というのがルールといえば ルールです。
Q:初心者が観に行くべき(おすすめの)演目を教えてください
A:時代物・世話物・舞踊・新作・復活狂言など、ひと口に歌舞伎といってもさまざまな種類の演目があり、味わいも大きく異なります。どれがお口に合うかは人それぞれで難しいのですが、まずは『白浪五人男(弁天小僧)』『勧進帳』『寺子屋』など、有名でよく上演されるものから入るのがよいと思います。
Q:屋号はどのように決まるのでしょうか?
A:市川家の「成田屋」のように信仰にちなんだものもあれば、副業の商売の屋号を転用したものなど、家によっていわれは様々ですが、多くの屋号の由来は不明です。
Q:『暫』の話の時に出ていた「大福帳」は何のためでしょうか?
A:『暫』の原型となった古い演目に、神社に大福帳を額に仕立てたものを奉納する場面があり、それが形だけ残ったと言われています。
Q>『紅葉狩』を舞踊劇、『鳴神』を芝居と呼ばれていましたが、その違いと関連性について教えてください
A:長唄・浄瑠璃などの地方(じかた)の演奏の付いた舞踊が主体の演目を所作事 (しょさごと)といい、元々は長い演目の一場面として挿入されたものが独立して上演されるようになった演目が多く見られます。これを便宜的に舞踊劇と呼ぶことがあります。
Q:古い六方について説明がありましたが、「丹前振り」ともいわれると思いますが同じもののことでしょうか?
A:そのとおりです。「丹前六方」とも呼ばれます。
回答は以上です。
たくさんのご質問をいただき、ありがとうございました!