江戸川区総合文化センター

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あらすじ

能 『景清』 かげきよ

平家の勇将悪七兵衛景清(シテ)は今では流罪人、盲目となり乞食の生活を送っている。鎌倉より景清の娘人丸(ツレ)が父を慕い従者(トモ)と共に旅に出て九州宮崎へと訪れる。ある藁屋の乞食に本人とは知らず父の行方を尋ねると、乞食となった景清は自分の落胆の身の上を恥じ、また娘の行末を案じ他人のふりで追い払う。しかし、人丸が近くの里人(ワキ)に同じく尋ねると先刻の乞食が景清だと教えられる。里人の案内で再び藁屋を訪れると景清は乞食の身を恥ながらも親子の名乗りを上げる。そして娘の為に華やかだった源平屋島の合戦の武勇伝を昔語るが、それを語り終えるとまた涙ながらに別れを告げて娘を鎌倉へと送り出す。



狂言 『二人袴』 ふたりばかま

今日は聟入り(結婚後、妻の実家に初めて挨拶に行く事)の日。舅の家では準備を整え、聟が来るのを心待ちにしている。一方の聟は、一人で行くのは心細いからと父親に舅の家の門前まで付き添われてやってくる。聟に礼装の長袴をはかせてやり、父は表で待っていたのだが、太郎冠者に見つけられてしまい、父親も舅に挨拶することになってしまう。しかし、長袴は一つだけ。さて、この親子はどうやってこの場を切り抜けるのか…。
明るいめでたさのある聟狂言の代表曲です。天真爛漫な聟とそれに慌てる父親の、舞台上から漂う何ともほのぼのとした雰囲気をお楽しみ下さい。

能楽のたのしみ方

江戸川区に待望の能楽公演がやってきます!

 日本藝術院会員・人間国宝の四世梅若実師を筆頭に、狂言には野村萬斎師を招いての「えどがわ能」。狂言「二人袴」・能「景清」と「松羽目物」に関連も深く楽しみな番組です。又、実師・萬斎師・解説者による「鼎談」も予定の、贅沢な一日をお楽しみください。
 「能楽」は国内において「重要無形文化財」の指定を受け、ユネスコの「無形文化遺産」の認定も受けている、いわば、日本人が世界に誇れる自国文化の一つです。様々に移り変わる世の中においても見劣りのしない、先人たちの創意工夫に満ち溢れた芸能です。
 無形文化の伝承は演者のみではなく、観客無くしては叶わないものです。「鑑賞する」という行為そのものが、未来へと続く歴史の積み重ねとなるのです。皆さまお一人お一人の応援を、心よりお待ち申し上げております!


<公演のみどころ>

狂言 「二人袴」 (ふたりばかま)

取り繕うことの滑稽さを風刺的に捉えた演目です。対話劇の中における独特な舞では、思わず笑みがこぼれてしまう事、必至でしょう。


能 「景清」 (かげきよ)

史実の人物を主人公とし対話による演出が魅力の演目です。気概の人として伝わる景清を表現する「能の地力」が魅力の一番です。



松山隆之 (シテ方観世流、江戸川区在住)

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