人形劇俳優・たいらじょうさんへのインタビュー【前編】
主催共催公演2021年8月22日(日)14:00に行われる
人形劇俳優たいらじょうの世界 J・M・バリー原作「ピーターパン」
ご出演のたいらじょうさんにお話を伺いました!
前編は、たいらじょうさんご自身のことについてです。ご覧ください。
【1】人形劇俳優・平常さんについて
①なぜ<人形劇俳優>というジャンルを創られたのでしょうか?
「人形劇俳優」という肩書きは特段新しい呼称というわけではないんです。現代人形劇の世界では古くから使われている呼び名で、まだあまり知られていない分野のため、新鮮に思われる方が多いようですね。
人形を操りながら台詞も発する...人形遣いとしての資質・役者としての資質、両方を必要とする...という意味で、この「人形劇俳優」という肩書きはよく使われております。
私の人形劇の特徴を言葉で表すならば...、私も役者のひとりとして劇世界に参加している...という点でしょうか。人間が演じるお芝居の魅力、人形が演じるお芝居の魅力、それらを融合させたものが私の舞台です。
②人形劇俳優に目覚めたきっかけとは?
この世に生まれたときからです。きっかけがないのです。私は人形劇を演るために生まれてきたのだと思っています。両親の話によると、幼少期の頃から、テレビで放送される文楽に夢中になっていたようです。保育園での先生方による人形劇は最高の楽しみでした。その頃から、自作の劇や紙芝居を友人や家族の前で披露していましたね。
③表現、演技、発声など、技術的なことの鍛錬で、オリジナルのことがあれば教えてください
人形劇は総合芸術のため、あらゆるスキルを必要とします。これまで学んだ日本舞踊、バレエ、パントマイム、声楽などなど...全ての要素・経験が人形劇の舞台で生かされています。10代の頃は日替わりで様々なレッスンやワークショップを受講する日々でした。そしてその学びは今でも続いています。永遠に終わることはないでしょう。
あらゆることを学び、自分自身の演技メソッドを確立し、それをまた人に伝授することで改めて学び直す...。新たなことに気が付く...。その繰り返しです。
「表現力」を磨く上での何よりもの要素となるのは人生経験です。人生で味わった一瞬一瞬の感動や苦悩を心にしっかりと刻み、それを芝居に生かす。人生と舞台は極めて直結しています。本当に幸せな仕事だなと日々感じています。
④舞台を通して伝えたいことをぜひ教えていただけますでしょうか
ひと言でお答えするなら「生きる喜び」でしょうか。作品ごとに伝えたいメインテーマは異なりますが、全作品に共通するのは、人間が生きることへの賛歌、リスペクトです。
子ども向け作品の全てに共通しているテーマは、「自分自身がもつ魅力と可能性の再認識」です。
大人向け作品については作品ごとに様々なテーマがあり、人間の毒の部分を刺激的に描いた作品もあります。そんな毒を描きつつも、隣り合わせに存在する清らかさも表現したいと思っています。
「未来を信じ、生きる糧となる芸術の提供」、それが私の活動理念です。
⑤表現する人というのは、想像力をフル活動させていると思いますが、その源とは?
生きていること、それが全ての源です。
具体的な例をあげればキリがありません...
子ども達とふれあう、ごはんを食べる、友や家族と会話をする、寝る、起きる、太陽を感じ、雨の音を聞き、花を愛で、そよ風を感じる...。図書館や美術館、劇場に行く、旅をする、家に帰る。
...と、色々ありますが、その中で、私が最も大切にしているのは「人とふれあうこと」ですね。そして、「劇場」という場所は、そんな人と人のふれあいを最高のかたちで実現してくれる素晴らしい場所なのです。リモートでは味わうことのできない、劇場内の温度が人々の熱気でフワッと上がるあの瞬間、一体感がたまりません。その瞬間に向けて創作を続けています。
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後編は作品についてや上演の舞台となる江戸川区についてお伺いいたします。
お楽しみに!